ITパスポート対策〜第11回「利益編」

今回のお題

今回のお題は利益計算です。

ITパスポート試験には様々な種類の利益が出題されるので、それらをまとめていきます。

合わせて、企業の財務状況を示す様々な指標にも触れていきます。

目次

売上総利益

売上高 - 売上原価

*売上原価には、実際に販売した商品の分のみを計上する。

例えば、期首の在庫が100万円分で当期の仕入れ原価が1000万円、期末在庫が300万円の場合、実際に販売された在庫は800万円分になる。

営業利益

売上利益 - 販売費・一般管理費

経常利益

営業利益 - 営業外収益・営業外費用

税引当前当期純利益

経常利益 - 特別利益・特別損失

当期純利益

税引当前当期純利益 - 法人税・住民税・事業税

貸借対照表

決算日における財務状況を負債・資産・純資産に区別して表示したもの。

BS(Balance Sheet)とも。

資産・負債は債権や借入金、貸しビルなど貸し借りに関わるものが多いためこのように名付けられている。

損益計算書

一定期間に発生した収益と費用を用いて営業成績を表したもの。

PL(Profit and Loss)とも。

キャッシュフロー計算書(CF)

一定期間の現金などの増減(キャッシュフロー)を営業・投資・財務などの項目別に表したもの。

株主資本等変動計算書(SS)

純資産の変動状況を各項目の前期末残高・当期変動額・当期末残高によって表したもの。

SSはStatements of Shareholders' Equityの略。

ROE

Return on Enquityの略。

returnは利益、enquityは純資産なので、利益に占める自己資本の割合を指す。

(当期純利益) / (自己資本)で計算される。

この値が大きければ大きいほど、自己資本が効率的に使われていることになる。

ROA

Return on Assetsの略。

当期純利益)/(総資本)で計算される。

上記のROEとは異なり、株式の売買で得た資本も含めた総資本と利益で評価される。

自己資本

純資産 + 内部留保の合計

流動負債

負債のうち、支払い期限が1年未満のものをいう。

対義語は固定負債

一般に、固定負債の比率が高い方が資金繰りは安定していると言われている。

流動資産

債権などの資産の中で、決算日から1年以内に現金化できるものをいう。

対義語は固定資産(土地など)。

資産額が同じであれば、当座資本の比率が高い方が有事の際の資金繰り能力が高いと言える。

当座資産

流動資産から棚卸資産(在庫)を除いたもの。

流動資産の中でもより現金化しやすい部分と言える。

当座比率

当座資産)/(流動負債)で求められる値。

この値が大きければ1年以内に入ってくる現金の方が出ていく金額よりも大きいので、当面の資金繰りは安定していると言える。

固定比率

(固定資産額)/(自己資本)で求められる値。

この値が大きいということは、元々は自己資本額が大きかったが固定資産の購入で減ってしまった、もしくは元々自己資本をそこまで持っていなかったのに借り入れなどをして固定資産を購入したということになる。

つまり、身の丈に合わない固定資産を保有しているということになり、この値が大きいと長期的な資金繰りに無理が出る可能性が高くなる。

ITパスポート対策〜第11回「QC7つ道具」

今回のお題

今回のお題は、QC7つ道具と呼ばれる7つのグラフです。

ちなみに、QCとはQuality Controlの略です。

パレート図

パレート図は、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせたものです。

項目ごとの値が棒グラフで、累積値が折れ線グラフで表されています。

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ヒストグラム

データを一定の範囲に分け、項目ごとの値を棒グラフで表したもの。

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散布図

縦軸と横軸にそれぞれ別の項目を取り、どの値をもったデータが存在しているのかを点で表したものです。

上記のヒストグラムパレート図は縦軸の値がデータの個数になっていましたが、散布図ではデータが多いか少ないかは点の密度で判断します。

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特定要因図

ある特性や結果がどのような要因のもとに生み出されているのかを図で表したもの。

魚の骨に似ていることから、フィッシュボーン図とも呼ばれている。

他のQC7つ道具とは異なり数字は出てきません。

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チェックシート

普通のチェックシートです。

点検項目 確認項目 実施有無
カウンター
備品の過不足  
忘れ物の有無  
レジ
金額の一致  
金額の入力  
レジ締め  
閉店処理
電気・空調  
施錠  
警備システム  

グラフ

折れ線グラフや棒グラフなどの通常のグラフです。

管理図

管理図とは、製造業の品質管理などで用いられるものであり、品質管理の目安となる3つの線を折れ線グラフに引くことで作成されます。

以下が管理図の一例ですね。

製品のを10個ごとのグループに分けて重量の平均値を出しています。

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見ての通り、3つの線が引かれています。

黄色の中心線は、正しい重量の値ですね。

上記の例では、100gの重量の製品を作ろうとしています。

 

赤い線はUCL(情報管理限界線)、緑の線はLCL(下方管理限界線)と呼ばれ、この範囲から逸脱した値が検知された場合には何らかの対策に乗り出すことになります。

 

ちなみに、UCLとLCLは、中央線から見て標準偏差の+-3倍に設定することが最も一般的です。

ただ、製造しているものが何かによっても製造ライン見直しのコストや規格から逸脱した製品が利用されるリスクは異なってくるので、この辺りは事業内容によって異なってきます。

ITパスポート対策〜第10回「4Pと4C」

今回のお題

今回のお題は「4Pと4Cです」。

4Pとは

4Pとは、Place(流通), Product(製品), Price(価格), Promotion(販促活動)のことを指します。

売り手側が何かしら施策を打つときにはこの4つのいずれかが対象になっているので、それらを一まとめにしているわけですね。

施策とそれが対応しているPの例として、PlaceにアプローチするのであればECサイトの立ち上げ、PromotionにアプローチするのであればDMの送付などが挙げられます。

ちなみに、いくつかの施策を組み合わせて複数のPにアプローチできるようにすることをマーケティングミックスと呼びます。

4Cとは、

4Cとは、上記の4Pを顧客目線で見たものになります。

具体的には

  • Customer value(顧客価値)がProduct
  • Customer Cost(顧客コスト)がPrice
  • Convenience(利便性)がPlace
  • Communication(コミュニケーション)がPromotion

にそれぞれ対応しています。

ITパスポート対策〜第9回「分析関連」

今回のお題

今回は、さまざまな分析手法についてまとめています。

RFM分析

Recency(最終購入日), Frequency(購入頻度), Monetary(購入金額)の3つの観点で顧客を分類するという分析手法です。

実際の活用例は、購入金額や購入頻度が高く最終購入日から考えてそろそろ買い替え時の顧客にダイレクトメールを送るなどですね。

3C分析

Customer(顧客)/Corporation(自社)/competitor(競合他社)の3つの観点から事業環境を分析し、経営戦略に活かすという考え方です。

コーホート分析

「時代」、「年齢」、「世代」の3つの要因に着目して分析する手法をいいます。

ITとはあまり関係のない純統計学用語といった感じですね。

人間の行動というのはもちろん年齢や世代によってある程度は法則性があり(例えば二十歳前後の頃には毎晩飲み歩いていた人が、歳をとって体力が落ちたり家庭を持ったりして夜遊びをやめるなど。)、また同じ年齢・同じ世代であっても時代によって取る行動が違うので(例えば今の世代はそもそも飲みニュケーションをしない、など)、行動を分析するのであればそれらによって分類をする必要があるという考え方ですね。

ABC分析

企業などを売上高順に3つのグループに分類して分析する方法です。

高いグループの共通点を取り入れ、逆に低いグループに共通点はなるべく改めるようにすることで売り上げの改善に繋げます。

 

ITパスポート対策〜第8回「経営管理編」

今回のお題

今回のお題は、ITパスポート試験に登場する経営管理用語です。

MBO

Management Buy Outの略です。

Buy Outとは事業を買い上げることを意味します。

そこにManagementがつき、経営者が自社の株式を購入することによって経営権を取得することを指すようになりました。

株式企業は経営者ではなく株主に意思決定権があるので、自分の意見を通すための最終的な方法は大株主になることしかありませんからね。

aliance

自社で不足している技術や販売力などの経営資本を他社との提携によって補うことをalianceと呼びます。

M&A

株式取得などの方法で他社を買収することを指します。

Mergers & Acquisitionsの略ですね。

事業の拡大や新規事業への参入を迅速にできるというメリットがあります。

ジョイントベンチャ

複数の企業の共同出資によって新しい会社を組織する方法を指します。

日本語では「合弁事業」とも呼ばれていますね。

M&Aに比べて実現が容易だと言われています。

クロスライセンス

特許などの知的財産権を企業館で共有すること。

スピンオフ

企業の一部を分離独立させること。

ITパスポート対策〜第8回「経営思想編」

今回のお題

今回もITパスポート回です。

今回は、企業経営をする上での考え方を中心に取り上げます。

CSR

Corporate Social Responsibility の略です。

企業は自社が社会や環境に及ぼす影響についても責任を持つべきだという考え方を指します。

HRM

Human Resource Management の略です。

人材を資源として活用していこうという考え方ですね。

MOT

Management Of Technology の略です。

科学技術に関する知見を経営戦略に生かしていこうという考え方ですね。

昨今の急速なIT化によって普及しつつある考え方になります。

ITパスポート対策〜第7回「バリュチェーン」

今回のお題

今回は、「バリューチェーン」という用語を取り上げます。

また、ITパスポートの試験でセットで出題されていた用語についても合わせて取り上げます。

バリューチェーンとは

バリューチェーンとは、企業の営業活動をいくつかに分解してそれぞれの強み弱みを通じて事業を分析していくという手法です。

バリューチェーンにおける「主活動」と「支援活動」

先程、バリューチェーンは営業活動の部分部分に注目する分析手法であると述べました。

具体的には、原材料の調達からユーザーに利用されるまでを主活動と呼ばれる5つの過程に分けます。

また、主活動のどの段階であっても補助的に関わってくる4つの業務を「支援活動」と位置づけ、それぞれがどのような付加価値を生み出しているのかを分析していきます。

 

主活動の内容

「購買」、「製造」、「物流」、「販売」、「サービス」

 

支援活動の内容

「前半管理」、「技術開発」、「人事管理」、「調達活動」

セットで出題されやすい用語

ここからは、セットで出題されやすい用語について取り上げます。

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスとは、他の会社には真似のできないその会社独自の強みのことを指します。

例えば、ある自動車メーカーで他の会社の2倍の燃費のエンジンを製造していてそれを競合他社が真似できないのであれば、それはコア・コンピタンスと呼べるでしょう。

 

ちなみに、「他者にはない強み」を意味する言葉として他に「ケイパビリティ」があります。

違いとしては、ケイパビリティが「迅速な意思決定」などの営業活動全体を通した強みを指すのに対し、コア・コンピタンスは上記のエンジン技術のようにバリューチェーンの中で局所的に発生する強みを指すようです。

プロダクトライフサイクル

直訳すると、製品のライフサイクルとなります。

実際に使われる意味としては、製品や市場がどの段階に来ているのか(成長か衰退か)ということになります。

プロダクトライフサイクルを意識した営業戦略」というと、市場の成熟度に合わせて営業戦略を変化させるという意味合いになります。